鍛造で作られた結婚指輪は硬くて傷付かない?

2017.12.12
みっちゃまん
刀鍛冶

テレビで鍛造指輪の指輪の特集をしてから、結婚指輪の選択肢の一つに鍛造が出てきました。

一番の理由が『傷が付き辛い』が上がるみたいですが、一般消費者がだいぶ勘違いをしてるみたいなので、説明をしながら、今結婚指輪を選んでる人達に選択の幅を広げて頂きたいと思います。

金属の硬度

一般的に金属の硬度をビッカース硬度と云いHVで表します。

その数値が高いほど、硬いと言って良いでしょう。

もう一つ耳にするモース硬度と云うのがあるのですが、こちらは宝石の硬さを表現するのに使われるモノです。

モース硬度7以上を宝石と呼ぶのは、生活する日常には硬いモノが沢山あり、宝石を傷つけその輝きを取ってしまう事から、宝石と呼ばれるモノには硬さや希少性が、宝石となる基準に組み込まれているのです。

そのモース硬度の中でも柔らかいモース硬度4程度でビッカース硬度に置き換えるとHV200程度です。

いわゆる、宝飾業界が鍛造と表現して良いとする数値なのです。

これはナイフの刃で簡単に傷が付いてしまうくらいの硬度なのです。

刀鍛冶

鍛造指輪の硬度

そもそも鍛造の指輪の硬度って幾つなのでしょう?

最近の宝飾業界では、鍛造と呼ばれる商品の硬度はHV200以上あれば鍛造と呼ばれるそうです。

一般的な指輪の硬度が、60HV~150HV位で、素材によって大きく変わるのです。

プラチナだけを見比べれば、一般的なプラチナ商品がHV70位で、良く聞くハードプラチナがHV140なので、HV200以上であれば、確かに硬い事は認めざるを得ないでしょう。

先程、モース硬度4とビッカース硬度のHV200を比較しましたが、HV200以上の鍛造でも簡単に傷が付くほど実は柔らかいのです。

宝石屋さんが白い手袋をはめて商品を扱うのには手について埃で傷を付けない様にとの理由があったのです。

いつの間にその様なことになっていたのか、とても疑問に感じましたが、私が宝飾業界に入らせて頂いた30年以上前は、鍛造と云うと、その作り方を総称するモノで、結果として硬さが特徴としてありましたが、硬さが最初に来るものではありませんでした。

工業的鍛造

時代による鍛造の工程変化

少なくても私が宝飾業界に身を置いた30年以上前には、既に鍛造の職人は極端に少なくなっていました。

それが近年、結婚指輪の選択肢に鍛造を選択する人が多いと聞き、とても疑問に感じていました。

昔の鍛造は刀鍛冶のように、赤く熱せられた金属を叩いて成形をすると云った姿を思い浮かべる程、大変なモノだったのです。

そんな大変なモノが量産できることが、とても不思議でした。

鍛造で硬く、傷付かない!テレビ放映と共に大ヒットしました。

良く調べてみると、いつの頃からか、明確ではありませんが、機械で作った、プレス商品でもHV200以上の硬度を持つ商品は鍛造と呼ばれていたのです。

工業製品をつくる、自動車業界等で使われる溶湯鍛造と云われる技法は実は鋳造なのに、そのネーミングに鍛造とあるので、鍛造と言葉だけが先行してしまうお粗末な業界だったのです。

それでもマスコミ洗脳の呪縛からは中々抜け出せない消費者が多くいる訳でして・・・マスコミや情報誌、NETでの情報を鵜呑みにする事はとても危険なのですよ。

 

日常生活の中のビッカース硬度

砂埃に混じる石英、これはガラス質のいわゆる水晶の粉と考えて下さい。

この石英は、HV1100

何が言いたいかと云いますと、日常生活の中で鍛造のHV200より硬いモノは様々存在するという事なのです。

時計の文字盤のガラスで、サファイヤガラスと言われるモノは、HV2300!

鍛造でHV200以上あったところで、必ず傷は付くのです。

硬度を売りにしたり、特別な付加価値を前面に押し出し、価格を吊り上げる現在の鍛造については疑問を感じてしまいますね。

簪職人

鍛造のデザイン今昔

それこそ熱された金属を叩きながら成形するのですから単純な形しか作れなかったのが昔です。

今の鍛造と呼ばれてるモノには、様々なデザインがあり、驚きましたが、実は工業製品に近い、プレス加工や溶湯鍛造を使った技法であったのです。

業界に30年以上いる事により、新しい解釈の鍛造があると知れたことも新たな学びでしたね。

昔も今も鍛造をHV200以上としていますが、一般宝飾品よりは硬い事は事実ですが、ほんの少しの差で、日常生活の中では必ず傷は付きます。

熱硬化処理

技術というモノはどんどん進化していくモノですが、鍛造から比べれば、柔らかく傷が付き易い鋳造の世界にも、HV200を軽く超え、中にはHV400を超えるモノも出てきています。

未だ新しい技術ですので、扱ってる所は少ないですが、私共は長年宝飾業界にいる恩恵で扱う事が可能になりました。

これを硬さだけで表現するなら鍛造と云う事になるのでしょうか?

鍛造=硬い=傷付かない(傷付き辛い)に惑わされないで、何の為に結婚指輪が存在するのかを知り、素敵な結婚指輪に巡り合って頂きたいです。

 

貴方は未だ、鍛造に拘りますか?

みっちゃまん

投稿者: みっちゃまん

アトリエ花風里店主、社会事業プランナー。 様々な業界や社会の縦割りな考えに疑問を感じ「既成概念を破壊する」をテーマに活動しています。 主事業のブライダル事業、宝飾事業の古い考え方から時代に合った仕組みを提案しています。

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