溶湯鍛造は鍛造?鋳造?

2017.12.19
みっちゃまん
刀鍛冶

溶湯鍛造は鍛造か?鋳造か?

最近ではこの技法を使った結婚指輪を鍛造と謳う大手メーカがあり驚きました。

この論議がされず、言葉が独り歩きしてるのですね。

そんな曖昧な宝飾業界だから、未だに鍛造は硬く傷つかない、鋳造は柔らかく傷つくと云った誤った解釈をしてる消費者が多くいるのも驚きですね。

テレビなどで取り上げたり、やはりマスメディアの影響力は大きいのでしょうね。

昨今の技術の進歩は目覚ましいモノがあり、昔(私の宝飾業界における歴史なので30年程)であれば、工業的な機械工法と、職人によるハンドメイドの工法は全く違う扱いだったのが、技術の向上が『鍛造』においては、その工法的な事よりも、金属の硬度としての違いを表現したモノが『最近の鍛造』となっています。

刀鍛冶

昔の鍛造

そもそも昔の鍛造は、刀鍛冶の工法を指したのです。

金属を直接熱し、叩いて成形する鍛造に対して、型を使って、そこに溶けた金属を流し込み成形したのか鋳造です。

鍛冶屋は刀や包丁と云った生活用具を叩いて作っていました。

型が無い時代、簪かんざし等の飾りを施すモノも実は鍛造として、叩いて成形していたのです。

工業的鍛造

現在の鍛造

溶湯鍛造のように、型に溶けた地金を流し込むのですから、間違いなく鋳造なのに、型に溶けた地金が入った後に圧力を掛け、鍛造と同じ様に金属の分子を冷却しながら地金を締める事で、均一化させ硬度を持たせる事で鍛造の硬度にまで高める事が可能になったのです。

この硬度だけをとって、鍛造と呼ぶようになったのも最近の事のようです。

宝飾業界に長く携わってる人達は『なんちゃって鍛造』と呼んでいます。

宝飾業界がいつの頃から金属の硬度(ビッカース硬度HV)HV200以上を鍛造と表現するようになったかは分かりませんが、この様に新しい鋳造と機械加工の技術を鍛造と表現するのは、昔からの鍛造を扱う、それこそ伝統工芸的な宝飾職人や刀鍛冶の職人を知る職人達には理解できない事でしょう。

その伝統工芸的な職人たちの技術の高さから、製品はとても高価なモノになりますが、機械製造にも関わらず、この価格だけは同じ様な価格に合わせて提案するのは如何なモノかと考えてしまいます。

鍛造より硬い鋳造

技術の向上は機械だけのモノではありません。

一般的な鋳造でも、鍛造のビッカース硬度をはるかに超える、最近では熱硬化処理と云う新しい技術で可能になっています。

一般的な鍛造の硬度よりも更に硬く傷つき辛くなっています。

金属は硬いと考えるのは当然の思考ですが、それでも金属より硬いモノは日常生活の上では沢山存在するので、鍛造であっても鋳造の特殊処理で硬くしていても、必ず傷は付いてくることを知った方が良いでしょう。

未だ高い現在の鍛造を選択しますか?

みっちゃまん

投稿者: みっちゃまん

アトリエ花風里店主、社会事業プランナー。 様々な業界や社会の縦割りな考えに疑問を感じ「既成概念を破壊する」をテーマに活動しています。 主事業のブライダル事業、宝飾事業の古い考え方から時代に合った仕組みを提案しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

コメントが送信出来ない時は、自動的にスパム判定されている可能性があります。内容を修正して再度お試しください。