お電話で相談にあがったのが正月明け直ぐの事でした。
お2人を拝見するなり、感じたイメージが『空気』でした。
周りの空気が読めないではなく、心地よい風に当たるような空気感なのです。
お歳を確認すると男性が49歳で女性が28歳?その差21歳と云う歳の差でした。
普通なら、男性に対して「犯罪だ!」「自分の娘の様な歳なのに・・・」と羨ましさ半分の冗談めいた非難も出るでしょう。
でもお2人とお話しすると、とてもしっくりしているのです。
30年以上、宝飾業界から、12年以上ブライダル業界から結婚されるカップルを数千組と見てきたから身に着いた特技と云いますか、少し話をするとお2人の結婚後の様子が何となく見えてきます。
結婚指輪作りをしている時のお2人の様子でもその性格が出てくるのですよ。
お2人に関しては『空気』の様な存在感がしていたのです。
事故による延期
アトリエご予約の1週間ほど前に新婦から『事故を起こしたので予定をキャンセルします。改めて予定をとります。』とのメールが来ました。
最初にお話をした中で、林業系の仕事と聞いていたので、落ちたのか?とイメージしまいた。
メールの返事もその後無かったので、ただただ無事を祈るのみでした。
結婚式もあと2ヵ月と押し迫っていたので心配していると、メール連絡が入り、動けるようになったので伺いたいと・・・
大丈夫なのかを確認すると、幸い骨折7カ所で済んだとのこと・・・
全然、大丈夫じゃないじゃない!?と思いながらも外でお客様を待ってると、先方から手を繋いでるカップルが目に入りました。
イメージとしては、松葉づえに支えながらをイメージしてたので、普通に手を繋いでくるカップルが同人物とは思えなかったので、びっくりでした。
再会を喜び、結婚指輪制作に入りながら、2人の出逢いを聞いてみました。
不幸中の幸いと言うのでしょうか、後遺症もなく、順調に回復に向かっているとの事でしたので本当に安心したのを覚えてます。
試練を乗越えた2人の絆
先ずは事故の無事をお話ししながらも、2人の微妙な変化を一番に感じました。
昨年末に入籍は済ませていた2人にとって、新年早々の新郎の大怪我が2人の絆を強くさせてる事を本当に感じました。
新婦にしてみれば、入籍して間もなくの、新郎に命に関わる事故です。
その焦りや不安は、三日三晩寝れなかったと思います。
意識を戻し、大事には至らないと告げられた時には、安堵の涙が流れたのではないでしょうか・・・
本当に良かったです。
私達アトリエ花風里の結婚指輪は、結婚生活を乗越えるためのアイテムと考えてます。
様々な危機を乗り越える事で夫婦の絆は強く太くなっていくと考えるからこその2人での手作り指輪に繋がるのです。
アンデンテの結婚指輪の意味
男性には前妻との間に子供がいる事が判りました。
歳の差も考え、結婚までの流れは、無理に持っていかず、自然の流れに任せたと・・・
付き合ってる期間は長いと思われるかも知れないけどけど、子供の事、ご両親への対応等、2人の距離感はいつも自然に任せていて、今がそのタイミングになったのだと思います。
この言葉はとても良いですね。
今がそのタイミングなのだと
結婚を急ぐあまり、2人のタイミングが合わないのに、催促したり、プロポーズしたりして、破局に繋がる人達を見てきました。
彼女もその事を理解しているかのように、ごく自然な接し方になっていたようですね。
、意識していたのではなく、当たり前に存在する『空気』の様になるのです。
ここまで2人の意識がいくと、まるで熟年カップルの様なのです。
音楽をやっていた男性と、今までもこれからも2人の人生の歩み方を言葉にすると『andante アンダンテ』歩くような速度を表す音楽用語が一番しっくりいくとの理由で、結婚指輪の内側にandanteと刻む事にしましたと。
素敵なご夫婦のお手伝いができた事に感謝です。
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